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Wednesday, May 1, 2024

パリ五輪出場導いた代表監督・大岩剛という男「長所は強さ」…鹿島時代の恩師・鈴木満氏語る人間性、リーダーシップ - スポーツ報知

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 日本が8大会連続12度目の五輪出場を決めた。準決勝でイラクに2―0で勝って大会3位以上の条件をクリア。大岩剛監督(51)率いる日本が一枚岩となって、1996年アトランタ五輪から途切れることなく今夏のパリ本大会(サッカーは7月24日開幕)への出場権を獲得した。前半にFW細谷真大(まお、22)=柏=の先制弾、FW荒木遼太郎(22)=FC東京=の今大会初ゴールで加点。守備では無失点でしのいで予選を突破した。3日(日本時間4日)の決勝でアジアの頂点をかけてここまで無敗のウズベキスタンと対戦する。1968年メキシコ五輪銅メダル以来となる五輪でのメダル獲得を目指すUー23日本代表の大岩監督が選手、コーチ、監督として鹿島に在籍した2003~19年に強化責任者を務めていた鈴木満氏(66)=現・鹿島強化アドバイザー、Jリーグフットボール委員=がスポーツ報知の取材に応じ、パリ五輪出場に導いた指揮官の素顔を明かした。(取材・構成=岡島 智哉)

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 10年に鹿島で現役を引退した大岩氏は、翌11年からトップチームのコーチに就いた。鹿島が現役引退直後の選手をコーチとして採用したのは、大岩氏が初めてだった。鈴木氏は、大岩氏の指導者としての適正を見抜いていた。

 「(現役の)最後の方は試合になかなか出られず、悔しさもあったはずだが、剛は出れなくてもチームのために、腐らずに黙々とやっていた。他の若い選手にいい影響を与えていて『これは指導者に向いているな』と思った。指導者としての素質、素養を感じていた」

 6年半ほどコーチを務めた大岩氏を、17年のシーズン途中に監督に昇格させた。

 「剛の指導者としての長所は『強さ』があること。選手に対し、毅然とした態度で強い言葉が言える。1番前に出て引っ張っていくタイプの指導者だと評価していた」

 退任した19年までの3年間は2位、3位、3位。18年にクラブ悲願のACL優勝を果たした。

 「初めての監督業で難しさもあったと思うが、1年目は最終節で勝ってたら優勝していたし、2年目もACLを取った。チームが過渡期でメンバーが変わっていく中、難しい時期をコントロールしながらやってくれた。よくやってくれた」

 その後、日本協会の指導者インストラクターを務めた間、複数のJ1クラブから監督就任のオファーを受けたが固辞。パリ世代の監督就任にあたり、鈴木氏に対して協会から相談があった。鈴木氏は「適任だと思う。すごくいい人選だ」と返答した。21年4月に大岩ジャパンが始動。昨年11月と今年3月の活動に団長として参加した鈴木氏は、大岩氏の成長を感じ取った。

 「ミーティングを聞いていても、抑揚があって、言葉の選び方や話し方がブラッシュアップしていた。『お前、うまくなったな』って言いました(笑)。サッカーの面でもすごく整理されている」

 代表のスタッフからは「剛さんのチームって独特の緊張感があるんですけど、これって鹿島の時からですか?」と聞かれたこともあるという。それは、大岩氏の人間性、リーダーシップによるものだ。

 「あのチームには、鹿島が昔強かった時のような雰囲気がある。距離感が絶妙なんだよね。『仲良しクラブ』じゃなく、(選手やスタッフと)距離を置くってことでもなく、一体感と緊張感を生むため、戦うための集団に必要な要素をうまく取り入れた管理の仕方をしている。剛は人間としての包容力、柔軟性があり、人付き合いもうまいから『仲良しクラブ』じゃない組織の作り方ができる」

 パリ五輪では、1968年メキシコ市五輪以来のメダル獲得を狙うことになる。

 「メダルを期待したい。鹿島の関係者も多いし、団長として合宿にも参加させてもらって思い入れも強い。すごく応援しているし(メダルの)期待に応えられるチームだなと。剛には今回結果を出してもらって、最終的にA代表の監督へ…ってなってほしいなと思います」

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