第103回天皇杯は12日、3回戦を各地で行い、FC町田ゼルビア(J2)が横浜F・マリノス(J1)を4-1で破った。
J1とJ2の首位同士による注目対決は前半早々に動いた。開始5分、町田は高い位置からプレッシャーをかけたMF宇野禅斗がDF木村卓斗からMF喜田拓也へのパスをカットすると、ショートカウンターをスタート。縦に持ち出したFWミッチェル・デュークが冷静にゴールへ流し込み、先制点を奪った。
ビハインドとなった横浜FMは前半15分に痛いアクシデント。左サイドバックのDF小池裕太が軽い接触で膝を痛め、MF吉尾海夏との途中交代を強いられた。その後もほぼマンツーマンでプレッシャーをかけてくる町田の激しい守備に苦しみ、シュートすら打てない展開が続いた。
すると前半終了間際に町田が猛攻を仕掛けた。MF沼田駿也の決定機はGKオビ・パウエル・オビンナに阻まれ、MF高橋大悟のミドルシュートは左ポストに弾かれたが、アディショナルタイム4分に追加点を奪取。横浜FMのオビのファンブル、吉尾のクリアミスを見逃さず、MF布施谷翔がふわりとしたループでプロ入り初ゴールを沈めた。
シュート数でも町田の10本に対し、J1リーグ戦ではなかなか出場機会のないFW杉本健勇らを先発起用した横浜FMは0本と一方的な展開。後半開始後には木村とMFマルコス・ジュニオールを下げ、MF榊原彗悟とFW村上悠緋を投入した。
後半開始直後、横浜FMは吉尾のFKから杉本がヘディングで合わせ、ようやくファーストシュートを放つも、町田GK福井光輝が冷静に弾き出す。さらに同16分、横浜FMは杉本に代わってFW植中朝日を入れると、町田は復帰初戦のデュークと高橋を下げてFW藤尾翔太とMF平河悠を起用した。
すると後半22分、町田の交代策がさっそく的中した。福井のロングフィードを右サイドで布施谷が収めると、縦に抜けた藤尾が縦への突破からクロスボールを送り、ニアサイドに飛び込んだ平河が反応。實藤よりも先に触ってネットに押し込んだ。
なおも町田は止まらない。後半34分、カウンターから右サイドを駆け上がったFW中島裕希がグラウンダーのクロスを送ると、これも平河が右足で決めて4点目を奪った。横浜FMは同39分、右サイドを攻め上がったMF井上健太のクロスにFW宮市亮がニアでつぶれ、そのままゴールに入って1点を返したが、反撃はここまで。4-1でタイムアップを迎えた。
町田は2012年度、15年度に並ぶ過去最高タイの4回戦進出。一方の横浜FMは2年連続での3回戦敗退に終わった。
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