15年W杯までの4年間、日本代表のヘッドコーチ(HC)として五郎丸を日本代表のFBとして起用し続けたエディー・ジョーンズ氏(60=イングランド代表HC)と、早大、ヤマハ発動機で監督として指導した清宮克幸氏(53=日本ラグビー協会副会長)の恩師2人が、メッセージを寄せた。今季開幕前に引退を発表した教え子にジョーンズ氏は称賛を、清宮氏は辛口のエールを送った。
「完全燃焼」への熱い激励だった。学生時代から五郎丸の成長を支えてきた清宮氏は、既に今季限りで引退の意向を知っていた。その上で「まだ引退していないのだから。しっかり試合に出られるよう、気合を入れて頑張れ」。引退発表から連想されるような湿っぽさとは無縁の口調で、ラストイヤーへ背中を押した。
数々の苦楽をともにし、功績や人間性を認めるからこその「清宮節」だ。清宮氏は五郎丸を早大入学から2年まで指導。ヤマハ発動機では11年度から8季指揮を執った。08年秋のリーマンショックを受け「プロ」としてその年に入社した五郎丸らが社員選手となるなど、一時は活動規模縮小を余儀なくされたチームを、15年の日本選手権初優勝に導くなどリーグ屈指の強豪に復活させた。V字回復を支え、15年W杯では日本躍進の原動力にもなった教え子に「存在感がある。口数は多くないが、熱いプレーで引っ張るタイプ。フルバックとは、まさにこういうポジションということを示してくれている」と目を細める。
この日の発表を「いろいろな意味でプラスになると思います。本人も、周りも、良い結果を出すことができるように、の思いが強くなるはず」と捉えている。だが、まだ現役生活をねぎらうことはしない。「誰にもできないような経験を積んできている」とオーストラリア、フランスなどでのプレー経験を生かした五郎丸の引退後の活動に期待を寄せながらも、選手としての最後の活躍を願った。
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