東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝、来年1月2、3日)まであと3週間に迫った。出場21チームのエントリーが出そろい、県勢も12人が名を連ねた。「力強く走る姿を通して福島に元気を届けたい」。本県出身者が監督を務め、上位を狙う東洋、早稲田の両大学では、県勢が大会本番に向けて意気込む。
ルーキー・松山「積極的に」
【東洋大】東洋大は総合10位からの上位返り咲きを狙う。酒井俊幸監督(学法石川高卒)は「東洋大をつくり直した。新戦力を信じて挑みたい」と逆襲を誓う。その期待を受けるのが高校駅伝などで活躍したルーキー松山和希(1年、学法石川高卒)だ。
11日に開かれたオンライン取材会。初の箱根に挑む松山は「序盤から積極的に攻め、中盤の粘りや最後に勝ちきる走りをしたい」と力強く意気込んだ。11月の全日本大学駅伝ではエース級が集う2区で7位の好走をみせたが「周りの空気にのまれ、自分の得意な中盤の粘りやロングスパートで情けない走りをした。心の弱い部分が出た」と納得していない。箱根出場が見込まれる中で「地元で応援してくれる方々に感謝してレースに臨みたい」と語った。
前回大会は、「学生最強ランナー」と呼ばれ、今月1万メートルで東京五輪代表に決まった相沢晃(学法石川高卒、旭化成)が活躍。しかし、11年続いてきた3位以内の記録は途絶えた。
酒井監督は相沢が抜けた穴は大きいとしつつ「全員がキーマン。3位以内に戻れるように挑む」と固く決意する。生まれ変わった東洋大が再び箱根路で輝きを取り戻す。
東洋大の清野太雅(たいが)(2年、喜多方高卒)も箱根駅伝のチームエントリーの16人に入った。11月の全日本大学駅伝では補欠に回ったが、新戦力として台頭してきている。
半沢、6区リベンジ狙う
【早稲田大】前回総合7位の早大は今大会、総合3位以内を掲げる。コロナ禍の活動自粛などはあったが、夏から本格的に活動を再開。主力メンバーが記録を伸ばすなど選手層は厚みを増し、全日本大学駅伝では5位に入った。相楽豊監督(安積高卒)は「戦える自信はある。優勝争いに絡み、上の順位を目指す」と手応えを語る。
前回大会6区を走り苦戦した半沢黎斗(3年、学法石川高卒)は、今季トラックで自己ベストを更新するなど上り調子。「(前大会は)非常に悔しく情けない気持ちになった。絶対に6区でリベンジしたい。借りを返す準備はしている」と気合十分だ。広野町出身で震災を経験、本県に懸ける思いも強い。「同級生や町民などに頑張ってる姿を今回こそ見せたい」と語った。今夏は足のけがに苦しんだ小指(こざす)卓也(2年、学法石川高卒)もようやく復調。「まだ時間はあるので、出場できるよう練習に食らいつきたい」と活躍を狙う。
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