ドジャース・大谷翔平投手(29)の元通訳・水原一平被告(39)が4日(日本時間5日)に銀行詐欺などで有罪を認め、10月25日(同26日)に判決が下されることになった。今後の見通しなどについて、国際弁護士の湯浅卓氏に見解を聞いた。
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Q 今回の裁判の印象は?
A 今までは、ほぼイエスと答える質問しかしていなかったのに、今回の判事は文章でしゃべらせようとしていました。裁判は偽証できない場であることを考えると、相当な圧をかけてきた印象です。水原さんも仰天したのでないでしょうか。
Q 厳しい態度を取った理由は?
A 前の裁判での治安判事の(水原被告に対する)印象が悪く、その報告が来ているのだと思います。例えば違法賭博の仲間の情報をかたくなに話さなかった、などが考えられます。
Q 10月25日の判決までの流れは?
A 弁護士と連邦判事が話し合い、量刑などを決めていく。実はこれ、きちんとした会議とかではなく、立ち話レベルなんですよ。水原さんが新しい事実を言いたくなったら、それを弁護士が口頭で伝える…といった感じですね。細かい情報を総合して、判決を決めていきます。
Q 量刑の決め手は?
A 大谷選手自身の意見や保護観察官の意見は、かなり反映されます。今回、大谷選手が「終結宣言」を出しました。今後は表だっては裁判には関わらないと思いますが、事前に「被害者インパクト文書」というものを出している可能性が大きい。これは精神的・心理的・財務的な被害を示したもので、判決の大きな参考資料になります。
Q 巨額の返済金はどうなるのか?
A もし自己破産したとしても、返済義務が生じます。大谷さんの26億円については、昨年の連邦最高裁で「詐欺の被害金は自己破産では踏み倒せない」という判例が出ている。国税については米国連邦破産法の条文に明記されてます。もし出所後に収入があるとすれば、司法省の財務訴訟部門に稼いだお金を送り、そこから大谷選手の口座などへ振り込むことをやり続けます。米国では、少なくともこれを20年は厳しくやると定められています。
Q 判決に関しては?
A 量刑は5年程度とみています。だだ今までの裁判を見る限り、水原さんには米国に居続けたいという意思があり、判事側は「服役直後の日本への強制送還」がかなりの厳罰とみている節があります。送還されると米国には絶対戻れなくなりますからね。金銭的にも、日本より米国のほうが多額のお金を稼ぐチャンスはまだある。みなさん、米国で服役した人が日本で26億円稼ぐなんて想像もつかないでしょう? でも米国はアメリカンドリームの国ですからまだ可能性はあるんです。今後は量刑、被害金の弁済、強制送還をセットにして判決を考えていくと思います。
◆水原一平被告の違法賭博問題を巡る経過(現地時間)
▽23年10月 捜査当局が違法スポーツ賭博の胴元の自宅を家宅捜索。
▽24年1月 捜査当局が大谷名義での胴元側への送金を把握。
▽3月19日 水原被告がスポーツ専門局ESPNの取材に、胴元への借金を大谷が肩代わりして送金したと説明。
▽同20日 大谷側の弁護士は「翔平は大規模な窃盗の被害に遭った」と声明を発表。韓国・ソウルで行われたパドレス―ドジャースの開幕戦後、水原被告がナインに違法賭博を行っていた事実を告白。ド軍は大谷の通訳だった水原被告を解雇。
▽同25日 大谷が会見を開き、送金や賭博への関与を否定。
▽4月11日 連邦地検が銀行詐欺容疑で水原被告を訴追。
▽同12日 水原被告が連邦地裁に初出廷、保釈。
▽5月8日 水原被告が司法取引に応じたと司法省が発表。
▽同14日 水原被告が罪状認否でロス地裁に出廷し無罪を主張。
▽6月4日 水原被告が連邦地裁で銀行詐欺罪などを認める。
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