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<前節・ヴィッセル神戸戦のレビュー>
開幕から2試合連続ドローの東京が、リーグ戦初勝利をめざして昨シーズンのJ1王者、ヴィッセル神戸を味の素スタジアムで迎え撃った。
スコアレスで迎えた後半、今シーズン初めてスタメンに名を連ねた“キャプテン”がチームを勢いづける一撃を放つ。
後半4分、中盤でボールをカットしたバングーナガンデ佳史扶選手が左サイドを独走。佳史扶選手の折り返しから松木玖生選手が放った左足シュートは相手選手にブロックされたが、この右コーナーキックから待望の先制点が生まれる。
佳史扶選手の左足キックにニアサイドでエンリケ トレヴィザン選手が競ると、ボールはファーサイドへ転々と流れていく。そしてスタジアム中がボールの行方を見守るなか、後方からタイミングを合わせて走り込んできた37番が右足一閃。
「行けぇぇぇぇぇぇぇ!」とばかりに蹴り込んだボールは、青赤サポーターの願いを乗せて強烈な弾道でゴールへ向かっていく。そしてブロックに入った相手の足を弾き飛ばし、ニアサイドを打ち破ってゴールネットに突き刺さった。
今シーズン3試合目にして初めて奪った先制点。スタメン起用に応えた小泉慶選手は「キャンプから練習していたプレー。蹴ったのは自分だけど、チームとして奪ったゴール」と謙遜しながら振り返ったが、チームを勇気づける得点になったことは間違いない。
試合は後半12分、後半24分に失点を許して悔しい逆転負けを喫する結果となったが、チームとしてしっかり積み上げてきたものをゴールという形で表す得点でもあった。
<試合プレビュー>
2試合連続ドローから前節ヴィッセル神戸戦のシーズン初黒星で、開幕から3戦未勝利という結果になってしまった東京。初勝利を手にしたい明治安田J1リーグ第4節は、福岡に乗り込んでのアウェイゲームとなる。
今週、チームにいくつかの朗報がもたらされた。木曜日にはFIFAワールドカップ26アジア2次予選 兼 AFCアジアカップサウジアラビア2027予選に臨むSAMURAI BLUE(日本代表)に長友佑都選手が復帰。さらに金曜日にはパリ五輪最終予選となるAFC U23アジアカップ2024に向けた最後のテストマッチに松木玖生、野澤大志ブランドン、バングーナガンデ佳史扶の3選手に加えて、今シーズン開幕から3ゴールと結果を残してきた荒木遼太郎選手が選出された。なかなか結果の出ないチーム状況にあって、雰囲気を好転させるには格好のニュースになった。
対するアビスパ福岡は、長谷部茂利監督の下で堅守をベースに進化を遂げ、昨シーズンはJリーグYBCルヴァンカップでクラブ初タイトルを獲得。今シーズンも横浜F・マリノスにアウェイで勝利するなど、ここまで1勝2分と無敗。リーグ戦3試合で1失点と自慢の堅守は健在だ。
攻撃の中心を担うのは、インサイドハーフの岩崎悠人選手、そして2022シーズンまで東京に在籍していた紺野和也選手。両選手がカウンターから抜け出してサイドに流れてクロスを上げるなどチャンスの大半に絡んでいる。1トップに入るウェリントン選手の高さにも警戒が必要だ。
東京は前節の退場処分でエンリケ トレヴィザン選手が出場停止。福岡に対しては2016シーズン以降、2分6敗と苦戦を強いられているが、リーグ戦初勝利をめざすチームに相性は関係ない。代表組の活躍はもちろん、彼らに触発されたチームが勝利に向かって一丸となることを期待したい。
[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]
Q、長友佑都選手が日本代表に選出されました。
A、彼にとってもスペシャルな瞬間だったと思います。日本のフットボール界において、彼は特別な選手です。ハードワークや試合に臨む準備の部分を怠ることなく、チームだけではなく自分自身にも、しっかりと矢印を向けています。彼は日本代表として戦う選手に値すると思いますし、私だけではなくクラブ全体が日本代表復帰を誇りに思っています。彼の活躍を応援したいと思います。彼は赤ワインのように熟成している印象です。
Q、今節はアビスパ福岡との対戦です。
A、誰か一人ではなく、チーム全員のハードワークが求められます。自分たちが構築しているフットボールを表現するだけです。ここまで試合で学んだことや改善すべきことを整理して、成長することを促していきたいと思います。自分たちに目を向けることが重要です。自分たちの決まりごと、自分たちのフットボールを思い切り良く表現することで、相手の強みを上回ることができると思います。
Q、今シーズン初勝利を手にするため、今週はどのようなことを重点的に取り組みましたか。
A、課題の改善と良い部分を伸ばす1週間でした。福岡の地で、前節のヴィッセル神戸戦よりも良い試合を展開したいです。もちろん、全員が勝利に飢えています。選手もスタッフもファン・サポーターのみなさんも同じ気持ちです。自分たちを信じ、自分たちにフォーカスしていきたいと思います。そうすることで、勝利という結果が付いてくると思います。
私はこのクラブと特別なものを作っていきたいです。ファン・サポーターのみなさん、東京を愛するみなさんの人生にインパクトを残すような瞬間を届けたいです。全員が夢見る“山の頂”は、一日で到達することはできません。旅路の途中には、良い瞬間だけではなく、我慢を強いられることもあります。特別な瞬間を手にするには、さまざまな場面を受け入れ、進んでいくことが重要だと考えています。
もちろん、全ての試合で勝ちたいです。我々が勝つと信じて試合に臨んでいますし、どのようなチームであろうと倒す自信があります。そのなかで、チームとして一生に残るものを築き上げたいと思います。
[選手インタビュー]
<小泉慶選手>
Q、開幕から3試合を終えて、手応えと見えてきた課題はありますか。
A、勝ち切れていないので、一つ二つの改善点ではなく色々な課題があると思っています。各試合で出てくる改善点があるなかで選手たちは臨機応変に対応しなければいけません。プレー強度や1対1で負けないことなど、根本的なところをもう一度見直すことが大切だと思います。攻撃でも守備でもどんどんチャレンジしていくことが、今後の勝点3に繋がっていくと思います。
Q、今週の練習ではどのようなことを重点的に取り組みましたか。
A、攻撃のところで、相手の出方によってどのようにプレーするのかをミーティングで整理し、練習で取り組みました。守備のところでは、アビスパ福岡の攻撃に対してどこでスイッチを入れてボールを奪うのか、またセカンドボールを拾うところで負けないことが大切になってくると思います。
Q、ボランチの選手としてどのような役割を果たしたいですか。
A、ボランチの選手は攻撃も守備も全部やらなければいけないと思います。攻撃では常に顔を出し続けてボールに関わり続けることが一番大切です。また、スペースへの飛び出しや、ミドルシュートを積極的に打つなどのチャレンジする回数も増やしていく必要があります。前線には力のある選手が多くいるので、良い配給を意識していきたいです。守備のところはプレスをかける時にしっかりと強度の高いプレスをかけること、飛び込んでくる相手選手へのケアやカバーリングをすることなど、チャレンジアンドカバーの関係をしっかりと作り、セカンドボールの回収も負けないようにしたいです。
Q、福岡の印象や、注意しているところはありますか。
A、チームとしては勝てていない相手ですが、僕自身、悪い印象はありません。チームとしてはアウェイの地で昨シーズンはリーグ戦もルヴァンカップも勝てていないので、今回はアウェイの地で難しい試合にはなりますが、しっかり勝点3を獲得したいです。
<バングーナガンデ佳史扶選手>
Q、ここまでの試合ではボール保持を大事にしつつ、長いボールも併用していた印象です。全体の連携はいかがでしょうか。
A、使い分けについての完成度はまだまだこれからの部分が多いと感じていますし、戦い方の課題の一つです。ですが、チームとしての方向性やどのようなサッカーを表現したいか、という部分に間違いはないと思っています。他の選手も同じ認識です。結果こそ付いてきてはいませんが、トライアンドエラーを繰り返しながら勝利に繋げていくことで、より強いチームを構築できる手応えと自信を個人として感じています。細かい部分を突き詰めて、プレーをしていきたいです。
Q、試合を重ねるごとに手応えを感じているということでしょうか。
A、試合で出た課題をクリアにして、また次の試合で新たな課題が生まれるというサイクルです。ですが、僕らに求められるのは“結果”であることも十分理解しています。当然、僕ら選手も結果を一番に求めています。勝利という結果を出せていないのは事実ですし、過程も大事ですが、先ほども言った通り今はまず結果を一番に追い求めています。
Q、あらためてアビスパ福岡戦への意気込みをお願いします。
A、チームとして結果にこだわってプレーしていきたいですし、ミーティングでも選手間で共有をしています。「何としても勝点3を取る」という強い意志を持って今週のトレーニングに取り組んでいました。
<松木玖生選手>
Q、リーグ戦プロ初ゴールが生まれた地ですが、どのような印象を持っていますか。
A、アビスパ福岡はとてもタフなチームという印象です。拮抗した試合展開になると思いますが、相手の堅い守りをこじ開けるような戦い方や自信はチームに備わっていると思います。昨シーズンはアウェイゲームの勝率が非常に低く、今シーズンのリーグ開幕戦は引き分けに終わりましたが、いかに敵地で勝点を積み重ねられるかが重要になると思います。アウェイの福岡の地で、今シーズン初勝利を掴み取りたいと思います。
Q、昨シーズンの対戦で苦しんだ福岡を相手に、この一戦でどのようなキッカケを得たいですか。
A、これまでの結果を踏まえても、今節の福岡戦がとても重要な一戦になることは選手各々が十分に理解しています。この試合で勝つことができればチームも良い波に乗ると思いますし、今までやってきたことを試合でしっかりと表現できれば、勝つ自信はあります。自信を持って試合に臨むことが大切だと思います。
Q、松木玖生選手自身の得点にも期待がかかります。
A、自分がゴールを決めるイメージは今週のトレーニングからできていますし、攻撃に関わる回数が増えているので、チームだけではなく僕個人も勢いづくような得点で勝利に繋げたいと思います。
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