<大相撲初場所>◇13日目◇26日◇東京・両国国技館
3場所休場明けで復活優勝を目指す横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)が、1敗の関脇琴ノ若を寄り切り単独トップから引きずり降ろした。7日目までに平幕2人に敗れるも、そこから負けなしの6連勝。9度目の優勝に向けて乗ってきた。横綱昇進が懸かる大関霧島は豊昇龍を二枚蹴りで破った。2敗は照ノ富士、霧島、琴ノ若の3人となり、14日目に照ノ富士-豊昇龍、霧島-琴ノ若の対戦が組まれた。
負ければ9度目の優勝が遠のく大一番にも、照ノ富士に焦りはなかった。立ち合いで琴ノ若に右を差されても慌てない。左で抱え込んで相手の攻めを封じながら、狙い通りつかまえて右を差した。得意な形に持ち込むと勝機が見えた。192センチ、176キロの大きな体を密着させながら、土俵際でこらえる琴ノ若を盤石の相撲で寄り切り。1敗で単独トップに付ける相手を引きずり降ろした。
「落ち着いてさばいていこうと思った。(琴ノ若は)圧力がすごいし、勝負強い」と警戒しながらも、しっかり勝利を収めて2敗を守った。大関昇進がかかる26歳の成長ぶりについては「向こうも残り2日勝負じゃないか」と気に掛ける余裕も見られた。
13日目終了時点で自身を含む3人がトップに並び、優勝戦線が混戦模様になった。場所前は稽古不足で状態が心配されていたが、既に11勝。1人横綱としての務めを果たす活躍を見せている。14日目に同じモンゴル出身の大関豊昇龍との対戦が組まれた。「日に日にできることをやっている。それが良い結果につながれば」。上向きつつある状態。9度目の賜杯を抱く期待が高まってきた。【平山連】
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