(CNN) トルコのサッカー1部リーグで11日の試合直後、主審が出場チームの会長に顔を殴られたことを受け、同国のサッカー連盟は全てのリーグ戦を無期限で停止すると発表した。
首都アンカラ市内のスタジアムでリゼスポルと対戦したホームチームのアンカラギュジュは、終盤に同点ゴールを決められた。1対1で試合が終了した直後、同チームのファルク・コカ会長がピッチに駆け込み、主審のハリル・ウムト・メラー氏を殴打した。
メラー氏は地面に倒れ、さらに少なくとも2人に蹴られた。その後、数人の選手や警備員に助け起こされて退場した。
現場の写真やビデオには、左目がはれた状態で氷の袋を持ち、警備チームの盾に囲まれて歩き去るメラー氏の姿がうつっている。公共放送TRTは、同氏が救急車で病院へ運ばれたと伝えた。
病院の医師によると、同氏は左目周辺の微小な骨折と出血の治療を受けた。頭を打っていることから念のため一晩、入院する。命に別条はないという。
サッカー連盟は声明で襲撃を非難し、メラー氏の容体を見守りつつ早期回復を祈ると述べた。そのうえで、連盟の理事会がリーグ戦の停止で合意したと発表。「非人道的な襲撃」の刑事責任を追及する手続きが開始されたと報告し、チームやその会長、マネジャーと襲撃の「犯罪者たち」は厳しく処罰されるとの見通しを示した。
コカ氏はテレビ局とのインタビューで、「頭がおかしくなって目の前が真っ暗になった。自分が何をしたか覚えていない」と語った。
アンカラギュジュは国内のサッカーファンとスポーツ界全体への謝罪を表明した。
トルコのイェルリカヤ内相はX(旧ツイッター)に、コカ氏が病院での治療後に拘束されるだろうと投稿。残る2人はすでに逮捕されたと述べた。
エルドアン大統領もXに「スポーツは平和と友情を意味する。暴力とは相容れない。今後、トルコのスポーツ界で起きる暴力を決して許さない」と書き込んだ。
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