JFAの発表によると、調査の結果、確認されたのは「フィールドへの侵入行為」「暴力行為」「迷惑危険行為」「破壊行為」「横断幕に係る問題行為」。今後、さらなる調査で新たな禁止行為が確認された場合、別途処分が行われる可能性もあるという。
17人に対する無期限入場禁止の対象試合は「日本国内で行われるすべての試合」。1人に対する5試合の入場禁止処分は同協会が対象試合を指定する。
JFAの田嶋幸三会長は公式サイトを通じて声明を発表。「17人に対する無期限の入場禁止は、浦和の試合だけでなく日本国内で行われる全ての試合(JFA主催試合に加え、Jリーグや各連盟などが主催する試合を含む)を対象としたもので、極めて厳しい決定です」と伝えた。
また「レッズサポーターは日本一の規模を誇り、その応援で素晴らしい非日常空間をつくることができる、世界に誇るサポーターです。今年はJリーグが開幕して30年ですが、当時からJクラブのファン・サポーターをリードしてきました。熱狂的な応援でチームを鼓舞し、サッカーの興奮や感動を最大限に引き出してくれる集団です。今年12月に開催されるFIFAクラブワールドカップサウジアラビア2023に、浦和はアジア王者として、日本を代表するクラブとして出場します。レッズサポーターも応援に行くでしょう。各国クラブチームのサポーターと共に大会を盛り上げてくれるはずです」と浦和サポーターへの敬意を表しつつも、「そういう素晴らしい存在であるにもかかわらず、一部の心ないサポーターによって、楽しく、ワクワクするはずの観戦環境が、暴力や威嚇、破壊行為で侵されたことは極めて残念なことです。今回の違反行為は、安全で安心してサッカーを楽しめる環境を広げていこうというサッカー界全体の取り組みを著しく阻害するものです」と指摘。「私もその時の状況を映像で確認しましたが、明らかに危険行為であり、決して看過できるものではありません。しかも、夏休みということもあって多くの子どもたちが来場している中で彼らに恐怖感や不安を与えてしまったことや、日本は女性や子ども、高齢者も安全に快適にサッカー観戦ができると世界的にも評価されているにもかかわらずこのような事案が発生したことは、痛恨の極みであり、日本サッカー界として忸怩たる思いを抱いています」と心境を綴っている。
加えて田嶋会長は「誰もが、安全で、安心してサッカーを楽しめる環境」の重要性を強調した上で、「今後、このようなことが二度と起こらないよう、JFAとしてもJリーグやWEリーグをはじめとする各リーグや連盟、47都道府県サッカー協会などと連携して再発防止策を講ずるとともに、リスペクトの推進や暴力・暴言根絶の啓発活動など積極的な情報発信を行ってまいります。そして、技術委員会、審判委員会、リスペクト・フェアプレー委員会、ウェルフェアオフィサーらと試合運営管理規定など各種規則の見直しを図る一方、運営・警備体制を強化します。また、違反行為を犯した者に罰則を与えたり、今回のような決定を下したりするだけでなく、われわれももう一度、襟を正してスタジアムの安全確保について真剣に考え、防止策を講じていきます」と再発防止の姿勢を表明。「JFAはいかなる場合でも暴力や暴言、差別などを容認せず、全ての観戦者が安全に安心してサッカーを楽しめる健全なサッカー環境を広げていきます。本気で変えるには一人一人が当事者意識を持つことが重要です。このサッカー界の考えや取り組みが、いずれは日本のスポーツ界や国際社会にも良い影響を与えるものになるよう、サッカーファミリーの皆さんと共に考え、日本サッカーを統括する団体としての使命感と責任を持って取り組んでいく覚悟です」と伝えている。
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