フィギュアスケート男子でオリンピック2連覇を果たし、昨夏にプロ転向した羽生結弦さん(28)が26日、東京ドームで単独アイスショー「GIFT」を開催した。東京ドームでのフィギュアスケーターのアイスショーは史上初。
この日のみの限定公演で、チケットは完売し3万5000人が来場した。80カ所を超える国内全47都道府県の映画館などのほか、韓国や台湾、香港でも生中継で配信され、計3万人が視聴した。
前例のないショーはステージから規格外。フィールドのバックネット側からバックスクリーンに向かうように長方形のリンクが設けられ、縦60メートル、横30メートルと競技会よりも大きい氷が張られた。リンクの両脇にはオーケストラが待機。スタンドはファンで埋め尽くされた。
公演では2018年平昌五輪などで使用したショートプログラム(SP)「バラード第1番」をはじめとする各プログラムを、アンコールを含めて計12曲滑った。
特に前半の最後に披露した「序奏とロンド・カプリチオーソ」は、22年北京五輪SPで冒頭の4回転サルコウが氷の穴にはまってジャンプが抜け、完璧に演じることができなかった曲。羽生さんは、全てのジャンプを着氷して演技を終えると、掲げた右拳を力強く握り、舞台裏に引き揚げる際には当時を振り返るかのように4回転サルコウの踏み切り場所付近を触った。
前半だけで6本の4回転ジャンプを跳んだ。後半も複数のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を着氷するなど、最後まで全力で滑り抜いた。
羽生さんは「フィギュアスケートならではの一期一会の演技が一つずつできたということに関しては、自分自身すごく誇りを持っている。少しでもみなさんの中で、ほんの一つのピースでもいいので記憶に残ってくださったら、うれしいなと思います」と話した。
制作総指揮は羽生さんが務め、日本を代表する演出家のMIKIKO氏も協力。羽生さんのナレーションに映像を組み合わせたほか、最新技術を使ったプロジェクションマッピングなどで、観客と一体となり、ドームを「羽生ワールド」にした。【倉沢仁志】
からの記事と詳細 ( フィギュア羽生結弦さんが東京ドーム公演 3万5000人が来場 - 毎日新聞 )
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