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ニック・デ・フリースというルーキーが僚友となった事で2023年シーズンの角田裕毅(アルファタウリ)は対チームメイト成績に関わらず、評価という点で「まずい状況にある」と指摘する声がある。
これまでの角田裕毅はピエール・ガスリーという評価の確立した中堅ドライバーとの比較においてそのパフォーマンスが語られてきたが、2023年にタッグを組む相手はFIA-F2選手権とフォーミュラEを制した実績を持つとは言え、F1での評価は未知数だ。
Courtesy Of Formula E
チャンピオンに輝いたメルセデス・ベンツEQのストフェル・バンドーンと僚友のニック・デ・フリース、2022年8月14日フォーミュラE第16戦ソウルE-Prix
評価軸が定まっていなければ評価のされようがない。だが、新人に良いようにやられれば評価は地に落ちる。その点においてシーズン開幕前から角田裕毅は非常に不利な状況に置かれているというのだ。
ジャーナリストのスコット・ミッチェルはポッドキャスト「The F1 Drivers with most to prove in 2023」の中で、「20代後半のルーキーに勝ったからといって、角田に対するある種の一般的な印象が大きく変わることはないだろう」と述べ、仮にデ・ブリースを打ち負かしても「誰も気にしない」はずだと指摘した。
「チームメイトが誰であるかという点で、今年の彼は何にしてもまずい状況にかなり近い」
「これが私の意見だと言っているわけではなく、デ・ブリースのような人がF1に来るのを多くの人がどう見ているのかという点で公正な見方だと思う」
「もしデ・フリースに負けたら非難轟々だろう。F1に来たばかりで輝かしい評判があるわけでもない相手に負けたとなれば、将来が有望視される現役のドライバーとしての彼にとっては恐ろしいことになるだろう」
何をやっても自身の才能を完全に証明できない状況にあるのだとすれば、2023年の角田裕毅は一体どうすれば「成功」したと見なされるのか?
スコット・ミッチェルは「今年、デ・フリースを徹底的に打ち負かす事が唯一の方法だ」と述べ、同じ「AT04」に乗るチームメイトを23戦を通して圧倒し続ける事が必要だと主張する。
「予選では彼に対して明らかな優位を示さなければならない。平均してコンマ3秒のマージンを以て圧勝しろと言うわけではないが、継続的に優位性を示すか、平均してコンマ1秒、あるいはコンマ05秒のアドバンテージを示し、大半でデ・フリースを上回る必要があると思う」
「レースに関してはデ・フリースが一流の走りを見せる瞬間があると思う。だから角田はデ・フリース以上でないにせよ、それに匹敵するピークを見せる必要があるし、彼よりも高い一貫性が求められる」
これを受けてマーク・ヒューズは角田裕毅について、FIA-F2選手権で印象的な活躍を見せているレッドブルとホンダの支援を受ける岩佐歩夢に触れて「今年の彼は兎に角、結果を出す必要がある」と述べ、結果が伴わなければシートを失うだろうとの率直な意見を口にした。
「もし角田がそれを達成できなければ、次はホンダのF2ドライバーである岩佐歩夢の番だ」
Courtesy Of Red Bull Content Pool
岩佐歩夢(DAMS)、2022年7月29日FIA-F2選手権第10戦ブダペスト
2022年の角田裕毅はしばしばガスリーに匹敵するパフォーマンスを発揮し、その成長ぶりを見せたが、エンジン交換ペナルティやピットストップミス、他車が原因の接触あるいはマシントラブルによるリタイヤなど、半分以上のレースで何某かの不運に見舞われた。
同じことはガスリーにも当てはまる。オーストリアGPではレースコントロールの判断の遅さ故にQ3進出が叶わず、雨の鈴鹿では広告ボードに接触。予選では2度のマシントラブルに見舞われ、3回のレースで不運のリタイヤを余儀なくされた。
これが角田裕毅の評価を困難にしている事は疑いない。
マーク・ヒューズは「才能があるのか、それともF1に入ったばかりでまだ少し未熟なのか、または経験を積むことで、かつて示したような能力あるドライバーになれるのか、まだ判断はついていない」と付け加え、2023年は今後を左右する正念場の一年になると強調した。
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