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Monday, October 18, 2021

「11年W杯メンバーは小中学生まで男子のスピードの中で…」長谷川唯が旧知のコーチと語る女子サッカーの“フィジカル”問題(栗田シメイ) - Number Web - ナンバー

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 W杯優勝で日本列島が「なでしこフィーバー」に沸いてから、10年の月日が経過した。翌2012年のロンドン五輪でも銀、15年のW杯でも銀メダルを獲得。その歩みは順調かと思われた。だが、澤穂希ら主力が代表を去った16年のリオ五輪ではまさかの予選敗退。19年のW杯でもベスト16で大会を終えている。

 世界を席巻した日本の女子サッカーは、一時期の勢いを失いつつあった。

 迎えた東京五輪、左サイドから攻撃のタクトを振るったのが長谷川唯(24)だった。苦戦の中でグループリーグを突破するが、ベスト8でスウェーデンに敗れた。結果以上に、試合内容でも世界との差を感じさせる大会だったことは否めない。

 現在はイングランドのウェストハムに籍を置く長谷川だが、12歳から昨年まで日テレ・ベレーザで研鑽に励んできた。そんな長谷川の高校時代にコーチとして指導したのが、Kリーグの蔚山現代FCのフィジカルコーチとしてACL優勝という異色の経歴を持つ津越智雄(42)だ。現在はJ2・FC町田ゼルビアのフィジカルコーチを務める津越は、筑波大学にて体のメカニズムを学んだ。卒業後はJクラブや海外で独自の理論を伸ばした、いわばフィジカルのエキスパートでもある。

 女子サッカーが世界で勝てなくなったのは、フィジカルの差が開いているからではないか――そんな問いを投げかけると、長谷川は現在の代表に対して「強い危機感を持っている」と述べ、津越はかつてのなでしことの差異を静かに語り始めた。2人の対談から、フィジカル的な側面から見たなでしこジャパンの現在地と未来を探る。

◇◇◇

長谷川唯(以下:長谷川) 津越さんお久しぶりです。女子クラブ選手権2019の際に韓国でお会いして以来で。今でも津越さんがコーチだった13年のトレーニングは鮮明に覚えていますよ。あれはホントにキツかった。それで翌年以降もあのキツいメニューがベレーザでは残っていて(笑)。

津越智雄(以下:津越) 今思うと直接接したのはわずか1年だけだったんだよね。当時のヴェルディは男女どのカテゴリーでも見られる環境だったから、唯のことは随分前から見ている感覚で。昔から淡々とやるべきことをやれる芯の強さがあって、あの年齢で自己が確立されていたのが印象的だった。それが今では日本代表の中心で、世界的なゲームメーカーになった。教え子の活躍を凄く嬉しく思う。早速だけど、東京五輪の結果についてはどう捉えている?

長谷川 もちろん悔しさもあるんですが、それよりも今後の代表への危機感というのが先にきて、19年W杯の時よりもそれが大きくなりました。五輪を振り返ると、まず一番に出てくるのが戦術の部分。数年前から海外では男子のような縦に速い戦術を取り入れるチームが増えてきました。それが東京五輪ではより顕著となりました。

 私の意見ですが、今回の代表ではまだまだ感覚的にサッカーをやっている部分も大きく、そういったサッカーに対する理解も全然足りなかったと思います。

津越 外からの視点だと世界的に技術や戦術理解が急激に進み、単純な身体能力の差が結果を分けている面も大きいと思う。そういったフィジカル的な差については、どう向き合っていた?

【次ページ】 個人の意識の差は「かなりある」

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