牛マルキンは、肉用牛肥育経営の標準的販売価格(粗収益)が生産費を下回った場合、差額の9割を補填(ほてん)する制度。国、生産者が3対1で積み立てた財源から交付される。セーフティーネットとしての機能を担うが、コロナ禍では枝肉価格下落の影響が大きく、減収分を十分に補うのが難しいとみて、上乗せに動く自治体が増えている。
「近江牛」などの産地を抱える滋賀県は、4月の補正予算で上乗せ補填のための予算1274万円を計上した。4月支払い分から、9割補填の残り1割の4分の1を助成する支援策を始動。肥育農家が多い地域を中心に、市町が追随して上乗せ助成に乗り出すなど、波及効果もあった。
期間は9月までを予定するが、「第2波の懸念もあり、今後も販売環境が急速に回復することは見込みにくい」(畜産課)として、事業を継続する方向で調整しているという。
山形県も、3~6月出荷分の黒毛和種を対象に、赤字の1割分を市町村と半分ずつ助成する補正予算案を6月の議会で可決した。県は「国の支援策だけではカバーし切れない分を助成し、産地の維持につなげたい」(畜産振興課)と強調する。
農水省は、肥育農家の資金繰り悪化を受け、4月から農家の積立金支払いを実質免除する措置を講じている。その余波で積立金が不足し、国費分だけの支払いとなる都県が相次いでおり、その対応策として上乗せ補填に取り組む県も出てきた。
6月交付分で財源が枯渇した愛媛県では、同月分から1頭当たり1万6500円を助成する支援策を新たに措置。これまで、生産者負担分の4分の1を補助する独自事業に取り組んでおり、その代替策と位置付ける。
支援策の背景について、県は「現在出荷している牛は、子牛がかなり高い時期に導入しており、農家負担分を除いた際の7割弱の補填では再生産が難しい」(畜産課)と話す。
肥育農家の資金源となる枝肉相場は、5月以降回復基調にあるが、依然として前年比2割近く安く、低迷が続いている。畜産経営に詳しい九州大学大学院農学研究院の前田幸嗣教授は「販売苦戦が長期化する中では、牛マルキンを超える支援制度が必要」と提起する。
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July 21, 2020 at 05:07AM
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牛マルキン 県独自上乗せ広がる 枝肉低迷長引き危機感 - 日本農業新聞
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