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Saturday, June 6, 2020

10万円減も コロナ禍に打撃 牛マルキン新算定波紋 地域で明暗再考望む声 - 日本農業新聞

不安を抱えながら肥育牛の世話をする小倉社長(福島県南相馬市で)

 肉用牛肥育経営安定交付金制度(牛マルキン)の算定方法が5月に見直されたことで、産地に波紋が広がっている。地域によっては新算定で1頭当たりの交付額が大幅に減るケースがあり、農水省に従来の制度運用を求める緊急要望を提出した県もある。一方、見直しで交付額が増えた県もあり、受け止めはさまざまだ。同省へは丁寧な説明や各産地が納得する算定の在り方が求められている。

 牛マルキンは、肉用牛肥育経営の標準的販売価格(粗収益)が生産費を下回った場合、差額の9割を補填(ほてん)する制度。国と生産者が3対1の割合で積み立てた基金が財源だ。

 見直しは、地域算定に使う標準的販売価格を都道府県単位から、地方ブロック単位(北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州、沖縄)に変更。同省は県ごとの相対取引価格の影響による県間格差を是正するため、3月販売分から適用している。

 算定変更の産地の受け止めは分かれる。ブランド和牛を擁するなど販売価格が比較的高い水準で推移してきた産地では、「4月販売分から地域算定への切り替えを予定していたが、1カ月前倒しで発動となり、ありがたい」(兵庫県の関係者)、「肥育牛経営に有効」(宮崎県の関係者)と歓迎する。

 一方、福島県は算定見直しで、県単位の算定より「交付金が1頭当たり10万円以上減る」(県担当者)と試算する。新型コロナウイルス禍などで経営が苦しい中、交付金の減少は打撃だ。南相馬市で肥育牛500頭を肥育する(有)いしがみ牛の小倉敏孝社長は「畜産農家として先が見えない状況が続き、残念だ」と肩を落とす。

 県は5月1日付で江藤拓農相に、従来通りの都道府県ごとの算定方式を認め地域の実態に合わせた制度運用を求める緊急要望を提出。JAグループ福島肉牛振興協議会や県内の生産者団体も同様の要請を近日中にする予定だ。

 秋田県も見直しで1頭当たり2万4000円程度下がると見込む。県担当者は「枝肉価格が上がらず、価格が高い県と比べて差が出てくる」と説明する。

 販売価格をブロック単位とする一方、子牛代を含む生産費を県単位のままとしている方式にも疑問の声が上がる。黒毛に比べ、価格水準が低い褐毛和種(あか牛)が全体の約2割を占める熊本県は「生産費もブロック単位でないと、マイナスが大きくなる」(畜産課)と訴える。大分県内の生産者からも「販売価格の低いところが不利で、本来の経営安定対策としての役割に矛盾する」など異論が相次ぐ。

 県など各産地に聞くと、国から算定見直しの事前連絡がないことも不満に拍車を掛けたという。

 JAしまねも5月上旬に県畜産振興協会らと共に、見直しに関する十分な周知や、従来の算定方式の継続を求める要請書を国会議員に提出。「見直しはあまりにも急過ぎた。各県の実態に合わせた算定方式を維持するべきだ」と強調する。

 同省は「新型コロナの影響で生産者などに説明する機会がなかった。理解を得られるよう引き続き話し合いたい」(畜産企画課)として、新方式で続ける意向だ。
 

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June 07, 2020 at 05:01AM
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