孤軍奮闘の才木を援護できない打線に、阪神岡田彰布監督(66)は試合後、つい声を荒らげた。

「そんなんミスばっかりやん。どんだけミスしてんの、このゲームだけで」。安打数は巨人と同じ9本だったが、ここぞのワンプレーに立腹した。

1点を追う5回2死一、二塁、5番大山が打席に入った場面では、二塁走者の野口が相手の絶妙なピックオフに引っかかってけん制死。貴重な好機を逃した。「そら痛いよ、そんなの」。苦々しく振り返った指揮官は、唯一得点が入った2回の攻撃にも言及。1死一塁で前川の右翼線への安打の間、一塁走者の大山が三塁まで進めなかったシーンも指摘した。「普通にでけへんからしゃあないやん。ライト線でも一、三塁にもなれへんし。そんなんコーチャーの指示やろ。ほんまにね、普通にやっとけばええのに」。次々に出てくる怒りは止まらない。

「何回、サイン出しても走らん。ええ? ひどいな。何にもでけへんもん。別にセーフになれって言うてない。何十回やねん今年」。好投手の巨人山崎伊を前に、何度も好機はつくれない。「今年なんか見てみい、どんな打率なんや。そやろ? 少ないチャンスで点取らなあかんのに、簡単にヒットなんか出るかい」。ただでさえ安打が出ずに苦しむ今の打線。走塁や小技でかき乱し、なんとかしようとする姿勢が欲しかった。

「変わらん、変わらん、ずっと一緒やん。何百回言うても変わらん」。あきれ気味に話した岡田監督を、懸命に点をもぎ取る打線の姿で納得させたい。【磯綾乃】

【関連記事】阪神ニュース一覧