前半戦を首位で折り返したFC町田ゼルビアは敵地でヴィッセル神戸と0-0で引き分けた。町田は2戦連続のスコアレスドロー。勝利が欲しかった4位の神戸だが、町田との勝ち点差は6のままとなった。
互いに持ち味を出した試合だった。前半から神戸がチャンスを作ったが、町田はGK谷晃生が好セーブをみせるなど、固い守りをみせていく。後半19分から神戸はベンチスタートさせていたFW大迫勇也を投入するが、最後までゴールネットが揺れることはなかった。
試合を通したシュート数は15本の神戸に対して、町田は4本。「試合自体は悪くはなかった」と話した神戸の吉田孝行監督も、チャンスを決め切れなかったことについては渋い表情をみせる。一方の町田の黒田剛監督も「守備陣はよく頑張ってくれた。攻撃陣のところでロストが多くてそこのクオリティがもうひとつ付いてこなかった」と攻撃陣の奮起を期待していた。
“師弟対決”も実現していた。神戸はDF山川哲史の出場停止もあって、DF菊池流帆を先発で起用。5月6日の新潟戦以来、8試合ぶりとなる今季2試合目の先発だった。「ここで結果を出せないとサッカーを辞めようと思っていた」と相当な覚悟を持って臨んでいたことを明かした菊池。
試合後は黒田監督と会話をかわす場面もみられ、「今日よかったねと言われました」とはにかむ。ただ「監督には感謝してますし、僕がプロになれたのも黒田監督のおかげだと思っている。その恩師の前で絶対に勝ちたかった」と悔しさを滲ませると、「ここから連勝して首位に行けるように頑張りたい」と気を引き締める。
また町田は来季の入団が内定している東海大4年生で特別指定選手登録されているFW桑山侃士が初のベンチ入りを果たした。そして後半31分からFW藤尾翔太に代わって途中出場。シュートこそ打てなかったが、ポストプレーなど随所に持ち味が見えるJリーグデビュー戦を飾った。
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