◆第102回全国高校サッカー選手権大会▽3回戦 市船橋4―1星稜(2日・柏の葉)
石川県代表の星稜は、市船橋(千葉)に1―4で敗れて準々決勝進出はならなかった。1日に起きた能登半島地震の影響で、地元から学校応援団約300人の来場が不可能となる中、関東在住の同校OBや2回戦で敗退した日大藤沢(神奈川)のサッカー部員らが駆けつけ、即席の星稜応援団がスタンドから温かい声援を送った。対戦相手だった市船橋もメガホンを貸し出して協力した。
前後半の80分間を戦い抜いた星稜に、万雷の拍手が降り注いだ。選手権優勝5度の市船橋に真っ向からぶつかり、前半29分に左クロスをMF山口が左足で合わせて、一度は同点に追いつく意地を見せた。1―4での敗退となったが、大声援には被災地への激励が込められていた。DF倉畑主将は「本当にありがたかった。高校サッカーって、選手権っていいなって。もう一回やりたいな」と感謝を込めた。
試合前、ピッチへ踏み出した星稜イレブンの目の前に、驚きの光景が広がっていた。来場予定だった学校応援団は能登半島地震による交通障害で金沢市から動けず。FW竹山は「アウェーの雰囲気で試合に臨むものと思っていた」という。しかし観客席には、いないはずの大応援団がいた。
地震が発生した直後の1日午後7時頃、X(旧ツイッター)上で星稜高同窓会のアカウントが、地元応援団の来場が不可能になったことを伝えた。瞬時に拡散し、市船橋後援会の吉田忠会長(54)は「被災されて大変だと思う。試合が開催される以上、相手をリスペクトして戦いたいと思った」と同校野球部、バスケットボール部と連携。約350本のメガホンを貸し出すことを決め、「被災者の皆様に一日でも早く日常が戻りますように」と記した横断幕とともに会場へと運んだ。
12月31日に2回戦で敗退した日大藤沢サッカー部も動いた。部員らが佐藤輝勝監督(44)に「星稜を応援したい」と相談して駆けつけた。星稜のチームカラー、黄色いポリ袋をユニホームに見立てて頭からかぶり、おのおのが袋にエールを書き込んだ。佐藤監督も「サッカーファミリーですから」と声をからした。
同会場で第2試合を控えていた名古屋と岡山学芸館の関係者、Jリーグ各クラブのサポーターまで集まった。
星稜・河合伸幸監督(48)は「急な出来事にも対応していただいたのはサッカーの力。最高の舞台をつくり上げていただいた」と振り返った。日大藤沢が思いを込めた横断幕のメッセージは「がんばれ! 日本の絆、今こそ強く」。応援の輪が温かく広がり、結びついた。(岡島 智哉)
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