第103回全国高校ラグビー 決勝 桐蔭学園8ー5東福岡 ( 2024年1月7日 花園ラグビー場 )
東西のAシード同士による決勝が行われ、桐蔭学園(神奈川)が前回王者の東福岡に8―5で競り勝ち、3大会ぶり4度目の優勝を飾った。前半に1PG、1トライで先行すると後半は粘り強く守り抜き、同じ東福岡を決勝で破った昨春の全国選抜大会に続いて2冠を達成。東福岡は2連覇と8度目の頂点を逃した。両校の決勝での対戦は第90回大会以来で、この時は31―31の同点で両校優勝だった。
どん底を味わった分だけ、喜びは格別だった。優勝が決まった瞬間、チームを束ねてきた高校日本代表候補のNo・8城央祐主将(3年)の目から涙がこぼれた。「桐蔭学園の一人として、新たな歴史を築くことができて良かった。自分たちのラグビーをしようと決めて、それができた」。仲間の手で4度、宙に舞い、感慨に浸った。
東の横綱が頂上決戦でも伝統の継続ラグビーにこだわった。自陣からボールを展開し、タックルを受けても前進する。相次いだラインアウトのミスから流れを失いかけても、集散の早いディフェンスで主導権は渡さない。3点差で迎えた後半ロスタイム。自陣5メートルラインまで攻め込まれたが、最後は執念のジャッカルでしのぎきった。
22年11月20日。前回大会の神奈川県決勝で東海大相模に13―14で敗れ、連続出場は7で途絶えた。「桐蔭はもう全国大会に出ないんじゃないか」――。そんな周りの声には惑わされなかったが、藤原秀之監督(55)は日々の取り組みから見つめ直した。
「私を中心としたスタッフの指導が悪かった。やってきたことがダメだと分かった」。コロナ禍で2時間に制限されていた練習時間を30分間延ばし、選手任せになっていた基礎を徹底した。努力を重ねて昨春の選抜大会を制しても、指揮官はチームに語りかけた。「11月19日に勝たない限り、桐蔭学園に春は来ないよ」。今年度の全国高校ラグビーの神奈川県決勝の開催日が「11・19」。東海大相模に59―0でリベンジを果たし、2大会ぶりの花園行きを決めた。
高校日本代表候補12人をそろえ、運動量や接点の強さでも見ている人を驚かせた。指揮官は「フィジカルバトルが素晴らしかった。ロースコアで勝ちきる。最高じゃないですか」と称賛。はい上がってきた強さで全国の頂点まで上り詰めた。
≪87年度以来の“1桁”≫桐蔭学園―東福岡の決勝は、引き分けで両校優勝となった第90回大会(10年度)以来3度目で、桐蔭学園が初勝利。花園での対戦は通算7度目で、3勝1分け3敗。
桐蔭学園の優勝4度は、保善(東京)、伏見工(現・京都工学院)に並ぶ歴代10位。桐蔭学園は今大会5勝を積み上げ、大会通算66勝で歴代7位に浮上。
決勝スコアがともに1桁得点となったのは、第67回大会(87年度)で秋田工が相模台工(現・神奈川総合産)を9―4で下して以来36大会ぶり。92年のルール改正でトライによる得点が「4」から「5」に変更となってからは決勝で両チーム合計13得点は最少。
▽春の選抜大会決勝(桐蔭学園34―19東福岡) 東福岡は前半4分にWTB西浦のトライで先制。同8分にも連続攻撃から再び西浦がトライを決めた。桐蔭学園の反撃は同19分。FB吉田がPGを決め、同22分にロック中森がトライ。同30分に吉田がPGを加えて逆転し、1点リードで折り返した。接点の攻防で上回る桐蔭学園は後半に加速。吉田の独走トライなど計3トライを加え、東福岡の反撃を1トライ1ゴールに封じた。
▽高校ラグビーのタイトル 冬の全国大会、春の選抜大会、東京五輪強化を目的に14年から始まった夏の7人制大会の3つ。東福岡は14年度と16年度に、東海大大阪仰星は15年度に、桐蔭学園は19年度に3冠達成。今年度は佐賀工が7人制大会を制し、桐蔭学園は春と冬の2冠に輝いた。
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