スペインサッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス会長が、サッカーの女子ワールドカップ(W杯)で優勝したジェニファー・エルモソ・フエンテス選手の唇にキスした問題で、エルモソ選手は25日、自分はキスに同意していなかったと発言し、会長の説明はまったく事実と異なっていると述べた。この事態にスペインの女子選手81人が、ルビアレス氏が解任されない限り、自分たちは代表チームに参加しないと表明した。
ルビアレス会長は20日に行われた決勝戦後のトロフィー授与式で、フォワードのジェニファー・エルモソ・フエンテス選手の唇にキスした。エルモソ選手はスペイン代表とバルセロナの歴代最多得点者。
エルモソ選手はインスタグラムに「いやだった」と書いた。しかしその後、RFEFを通して自身の名前で出した声明では、ルビアレス会長を擁護した。
ルビアレス会長は21日に「私は完全に間違っていた。それを認めざるを得ない」と述べたが、問題を協議するため25日に開かれたスペインサッカー連盟の緊急総会では、大方の予想と異なり、「辞任しない、辞任しない」と述べ、「いま行われているのは、社会的な暗殺だ」と主張した。"
会長は総会で、「このように追い込まれるようなことを、したわけではない」として、当時の状況について「私を持ち上げたのはジェニの方だ。私は(イングランドのGKメアリー・アープスが阻止した)ペナルティーのことは忘れようと言い、彼女に『軽くチュッてしようか?』と言うと、彼女は『OK』と答えた」のだと説明。
「その場の勢いでの自発的なキスだった。双方からの、感極まった状況での、お互いに同意してのことだ。同意していたというのがポイントだ。それで『軽くチュッ』としただけで、こんなことになってしまうのか?」と会長は述べた。
「私は尊重されなかった」
これを受けてエルモソ選手は25日にインスタグラムで、「あの残念な出来事に関するルイス・ルビアレス氏の説明は、完全に事実と異なり、彼自身が作り出した他人を懐柔し操ろうとする風潮の一部だ」と反論。
「明確にしておきたい。会長が(総会で)述べたようなやりとりは、一切なかった」と、選手は太字で強調。「何より、彼からのキスに同意したこともない。前にも書いたように、私にはいやな一件だった」と書いた。
「お祝いの最中だったこともありショックだった。時間がたち、自分の当時の気持ちを深く探った結果、この件を報告する必要があると思うようになった。職場だろうがスポーツだろうが社交の場だろうが、誰もこのような同意のない行動の被害者になってはいけないと思う」
「私は、自分がまったく同意していない、衝動的で性差別的で場違いな行動の被害者になった、自分は弱者になってしまったと感じた。簡単に言えば、私は尊重されなかった」
エルモソ選手はこう続けたうえでさらに、「会長へのプレッシャーをやわらげるため、共同声明を出すよう求められた」とも書いた。
イングランド代表や男子代表も同調
決勝戦でスペインと戦ったイングランド代表は25日、「性差別的で家父長制的な組織によって、受け入れられない行動が起きてしまった。加害は加害で、私たちは全員、真実を目にした」と声明を出した。
「自分は無敵だと思う人たちの振る舞いを受け入れてはならないし、どのようなものだろうといやがらせに対して行動を起こすために、誰かを説得する必要などないはずだ。ジェニ・エルモソ、私たちはあなたとスペイン代表の選手たちを支持する」
スペイン女子サッカー選手会「FUTPRO」は25日、「女子ワールドカップの表彰式で起きたこと受け、この手紙に署名する選手全員は、現在の指導部が留任するなら代表チームには参加しない」と発表した。署名した選手には、ワールドカップ優勝チームの23人が全員含まれている。
スペイン代表の次の試合は9月22日。欧州サッカー連盟(UEFA)ネーションズリーグでスウェーデンと対戦する予定。
スペインサッカーの男子代表で、レアル・ベティスに所属するFWボルハ・イグレシアス選手は25日、ルビアレス会長が辞任するまではスペイン代表でプレーしないと表明した。
国際サッカー連盟(FIFA)は24日、規律委員会がルビアレス会長への懲戒手続きを開始したと発表。スペイン政府も会長に対する法的手続きを開始した。
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