日本対コロンビア戦。森保ジャパンの戦いぶりは1-2というスコア以上に酷かった。「また批判的な原稿か」と言われそうだが、この試合は近来まれに見る酷さだった。ラスト30分などは操縦不能な、頭を空っぽにして戦っているような滅茶苦茶さで、鑑賞に堪えられないレベルの低いサッカーだった。
森保監督が就任したばかりの新監督なら情状酌量の余地がある。だが森保ジャパンは4年8カ月前に誕生した集団だ。コロンビア戦は64試合目にあたる。森保監督で本当に大丈夫なのか。その代表監督としての能力にあらためて疑念を抱くことになった一戦だった。
コロンビアは南米の強豪国ではあるが、2014年ブラジルW杯をピークに下降線を辿る、4日前に戦ったウルグアイより若干レベルが落ちる国だ。ご承知のように、カタールW杯では南米予選で敗れている。しかし、いい勝負になるのではないかと楽観的でいられたのは開始3分、三笘薫のジャンプヘッドが決まった瞬間までだった。試合はそこから、攻めるコロンビア、守る日本という構図が鮮明になるワンサイドゲームと化していった。
この記事に関連する写真を見る コロンビアは滑らかで軽やかな身のこなしからショートパスを鮮やかにつなぎ、ピッチを広く使いながらキチンと攻めた。ボールを中心に、定石どおり三角形を次々と構築。お家芸と言うべきパスワークを発揮しながらキチンと攻めた。それができない日本の問題点はおのずと鮮明になるのだった。
日本のエース格と言えば、左ウイングの三笘であり、右ウイングの伊東純也となるが、彼らにボールがいい形で収まらない。ブライトンの三笘は相手の右SBと、1試合で少なくとも5、6回は1対1に及ぶ。縦に抜き去り決定的な折り返しを、その半分以上の確率で決める。ゴールの匂い漂う決定的なシーンを作り出しているが、この試合でその回数はゼロだった。なにより1対1に及ぶシーンがなかった。
日本が誇るストロングポイントではないのか。ファンにとっても一番のお楽しみであるはずだ。最も追求すべきその回数がゼロだった。大問題とはこのことである。そうなってしまう理由はなぜか。ロベルト・デツェルビ監督率いるブライトンのサッカーと何が違うのか。
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