F1ベルギーGPの決勝レースは悪天候に見舞われたため、長いスタート延期の後、セーフティカー先導で2周を走り切った段階で赤旗中断となり、そのまま再開されることはなかった。2周以上を走破していたために、ハーフポイントではあるもののレース成立ということにはなるが、決勝レースを月曜日に延期することはできなかったと、FIAのF1レースディレクターであるマイケル・マシが語った。
日曜日(8月29日)のスパ・フランコルシャンは、朝から悪天候に見舞われた。そのためレースのスタート時刻は25分延期され、セーフティカー先導でフォーメーションラップのスタートが切られた。
しかしコースのコンディションは非常に悪く、赤旗が掲出されたことで各車がピットレーンに戻り、そのまま3時間以上待機を強いられることになった。
ただ長時間待っても天候はなかなか回復の兆しを見せず、時間だけが刻々と過ぎ去っていった。
現地時間の18時を過ぎた頃、走行できる可能性があると判断され、18時17分にセーフティカー先導のままレースがスタート。全車がコースに出ていったものの、やはり視界は悪いままであり、3周目走行中に再び赤旗が掲出。各車がピットに戻った約20分後、レースが再開されないことが宣言された。
結局最終結果は1周終了後の順位となり、F1史上最短のレースとなった。これまでの最短レースは、1991年オーストラリアGP(アデレード)の14周だった。レギュレーションでは、2周以上走行していればレース成立ということなるが、規定のレース距離の75%に到達できなかったため、トップ10のドライバーに与えられるポイントは通常の半分ということになった。
メルセデスのルイス・ハミルトンは、雨の中長時間待ったものの、しっかりとレースを見られなかった観客たちに同情。セーフティカーの後を2周だけ走るという決断は「悪い選択だった」と語った。
インディカーやNASCARなど他のレースでは、当初の予定の日程が悪天候に見舞われた場合は、レースを翌日に延期することもある。しかしFIAのレースディレクターであるマシは、様々な理由から、スパでレース日程の延期を検討するという選択肢はなかったと語った。
「レースを翌日まで延期することはできない」
そうマシは語った。
「FIA、そしてF1の観点から言えば、ドライバー、チーム、そして全ての観客にとっての最優先事項は、安全であるということは明らかだ」
「我々はレースを完了するための最善のチャンスを得るために、ルールブックと国際競技規約の中で、利用可能な全ての機会を検討した」
「残念ながら今回の場合は、規定された距離を走り切ることはできなかった。しかし、計時を止めることができる規約があるなら……それが我々が検討したことだ。天候の隙間を活かすことができるかもしれなかったのだ」
フェラーリのカルロス・サインツJr.は、ただレースを成立させるためだけに、セーフティカー先導で2周走るという決定は「まったくナンセンスだ」と語った。しかしマシは、全車でコースを走り、その当時のコンディションを評価することが重要だったと主張した。
「セーフティカー先導で走った理由は、コンディションがどのようなモノであるかということを検証するためのモノだった」
「我々は公式の気象情報の提供業者と、常に連絡を取り合っている。そしてその時には、悪天候の隙間があるように見えたんだ」
「我々はレース再開の10分前に通達を出す必要がある。だから『オーケー。その隙間が見つかるかどうか、試してみよう』という感じだった」
「多くのチームが同じことを言っていた。彼らもその隙間を見ていたし、その天候の隙間を見つけるために我々が何をしようとしていたのか……それを正確に見ることができた。でもその後に、また悪天候がやってきたんだ」
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