レンジャーズ有原航平投手(28)が、メジャーデビュー戦で5回6安打3失点無四球1奪三振と好投したものの、メジャー初勝利はお預けとなった。

早大時代、米国に遠征した当時から目標としてきたメジャーのマウンド。試合後は「今日は特別な登板だったので緊張しました。今までにないような緊張。初回はふわふわした感じでした」と、率直な感想を口にした。

それでも、プレートに足をかけた有原は、落ち着き払った表情でメジャーの打者に挑んだ。1回、先頭メリフィールドに死球を与えながらも併殺で切り抜けるなど、4回までは持ち味の安定したリズムで無失点投球を続けた。5回、先頭テーラーにソロ本塁打を浴びて初失点。その後、中堅手が打球を見失う不運(記録は三塁打)やバント安打などで、この回3点を失ったが、1点のリードを保ち、勝利投手の権利を持って交代した。ところが、続く6回、救援陣がつかまり、一挙7失点。アッという間に、有原の初白星は消えた。

初対戦ながら相手打線が2巡目に入った後に失点。メジャーの厳しさを実感した。「配球が偏ってしまったのと、ボール先行になってしまった」。初登板への配慮もあり、首脳陣から73球で交代を告げられた。納得する一方で、「1イニングでも長く、という気持ちは常に持っています」と、先発投手としての気概ものぞかせた。

2試合連続の2桁失点で連敗スタートとなったレンジャーズにとって、有原の好投は数少ない好材料。ウッドワード監督は「完全にコントロールしていたし、メジャー初登板で勝てるチャンスを与えてくれた。彼は彼の仕事をやってくれた」と、ねぎらいの言葉を並べた。

マウンドへ向かう時の緊張感。敵地とはいえ、日本とは異なる球場の雰囲気にメジャーを実感した。「いよいよ来たんだな、というのはそこで感じました」。白星には届かなかったものの、有原にとっては忘れられない、確かな第1歩となった。