テーマはスピードとスタミナの両立。序盤からハイペースでレースを引っ張るという田中選手の持ち味を残したまま、後半もペースをなるべく落とさない世界と戦える走りを目指しました。
その象徴が設定したタイムで走り、休憩を挟んでまた、走るというオーソドックスな練習の見直しです。レースを想定したタイム設定で全力疾走し、ジョギングでつないでまた全力で走るという厳しいメニューを父親でありコーチでもある健智さんと作り上げ、自分を追い込みました。
この効果は大会が再開された7月以降、次々と結果になってあらわれました。女子3000メートルで18年ぶりに日本記録を更新、女子1500メートルでも14年ぶりに日本記録を塗り替えたのです。
ことしの最大の目標としてきた東京オリンピック出場がかかる4日の5000メートルのレース。距離が長くなる分、駆け引きが重要になるとされていますが、田中選手は「相手の土俵で勝負しない。自分らしい走り方を追求する」と決めました。
そう言えたのも徹底したトレーニングを積み重ねたことで生まれた自信があるからこそ。最後1周その自信に満ちあふれた走りで自分らしさを貫ききって、オリンピックの切符をつかみました。
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