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Wednesday, September 16, 2020

巨人、8年ぶり9連勝で一気にM35 阿部「代行ヘッド」門下生の俊太がV弾 - スポニチアネックス Sponichi Annex

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<巨・神>5回1死一、二塁、立岡(39)の3点本塁打にガッツポーズの原監督(中央)と阿部ヘッドコーチ代行(右)(撮影・北條 貴史)
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 巨人は16日、阪神に7―6で勝利し、8年ぶりの9連勝(1分け挟む)。前日15日に点灯させた優勝マジックを一気に3減らして35とした。元木大介1軍ヘッドコーチ(48)が虫垂炎の手術で離脱し、代行として阿部慎之助2軍監督(41)が緊急昇格してベンチ入り。試合前の円陣などで選手を鼓舞すると、2軍でアドバイスを送ってきた田中俊太内野手(27)ら門下生が躍動した。

 原監督から電話を受けたのは午後1時半すぎ。阿部2軍監督は2軍DeNA戦を戦う予定だった平塚球場から東京ドームに急行した。耳に残る「ヘッドコーチ代行」の言葉。グラウンド到着は全体練習終了直前の3時15分だった。

 緊張が解けたのは今季最長となる9連勝が決まった直後だ。「正直ホッとした。僕が来て連敗が始まったと言われたくないので」。炎天下の2軍での猛練習で真っ黒に日焼けした門下生たちの活躍に「めちゃくちゃうれしかった」とほほ笑む顔は同じように黒く、父親のように優しかった。

 岡本が軽い腰痛、坂本が体調不良で欠場。サイド右腕の青柳対策で組まれたのは両打ちの若林を含め球団史上初の全9人が左打席に入る打順だった。7番・田中俊は13日に昇格したばかりで8番・立岡は右手有鈎(ゆうこう)骨骨折の手術を乗り越え12日に今季初昇格。共に今季初先発し、初安打で得点を奪ったのだ。

 原監督には「左打者は引っ張れてなんぼ」と言う哲学があり、阿部ヘッド代行自身も現役時代は実践。現在は2軍で「小さくなるな。本塁打を狙うぐらい思い切って振れ」と指導に生かしている。田中俊は2回に右翼席に先制1号ソロ。立岡も5回に右越えに1号3ランを放った。ともに左打席から強く、引っ張った打球。田中俊の「阿部2軍監督から指導していただき、最高の結果になってくれた」と言う言葉がどれほどうれしかっただろう。

 過密日程の今季、原監督はチーム全員で戦うことを掲げる。選手だけではなく首脳陣もだ。今季1、2軍の懸け橋だった阿部ヘッド代行について「彼は選手個々もチームもよく知っている。ワンチーム」と指名した理由を明かす。未来の巨人軍を託すべき存在、という思いもあるだろう。

 この日、選手交代も託された阿部ヘッド代行は「亀井の選手交代のタイミングをミスして…。そこは反省したい」と振り返った。6回は亀井が一度守備に就きながら投球開始直前にウィーラーと交代。そんなドタバタ劇も今後の糧とする。選手を打席に送る際、ベンチに退がった際も歩み寄って助言を送った。

 原監督が「阿部チルドレン」と評した門下生たちが、マジックを35に減らした。阿部ヘッド代行は試合後、原監督からこう言われたという。「思う存分、慎之助らしさを出しなさい」。伝統は脈々と引き継がれる。 (神田 佑)

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