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Friday, April 10, 2020

網走刑務所の「監獄和牛」、濃厚やわらか希少価値 - 日本経済新聞

焼肉マルイシではサシが入った網走監獄和牛を食べられる(7日、網走市)

焼肉マルイシではサシが入った網走監獄和牛を食べられる(7日、網走市)

網走刑務所生まれの「監獄和牛」が人気を集めている。広大な牧場でのびのびと育った牛は濃厚で甘みが強く、柔らかな食感も特徴。日本食肉格付協会(東京)が認定する牛肉の最高ランク「A5」を受けるまでの評価を確立しているが、出荷数は年間で20頭ほどと希少価値も高い。

網走の観光地として有名な博物館網走監獄からほど近い場所に現役の網走刑務所がある。現在懲役10年未満の受刑者約730人が入所しており、受刑者が丹精込めて育てた牛肉は網走市内や札幌へ出荷している。

博物館網走監獄にある監獄食堂では、ロコモコ丼(税込み1100円、数量限定)が提供されていた。市内の焼肉店「マルイシ」でも監獄和牛を焼肉のメニューとして出している。

黒毛和牛の特徴でもあるサシ(白い脂身)がきれいに入った肉は甘みもたっぷり。今野陽店長は「他の和牛と比べて油っこさがしつこくないのも魅力です」と話す。新型コロナウイルスの拡大で来店客は減っているが、常連客の支持は根強い。

全国の刑務所で畜産に乗り出しているのは網走刑務所だけだ。飼育する「二見ケ岡農場」は約360ヘクタールで、東京ドーム77個分の広さを持つ。農場では生まれて数カ月の子牛から体を太らせた大きな牛まで、約100頭がのびのびと暮らしていた。広大な敷地の周囲は塀に囲われておらず、網走市街地に向かう幹線道路にも面しているのが印象的だ。

受刑者は木工や窯業などそれぞれ担当の刑務作業があり、畜産は3~5人で担当している。農場には逃走を防止するための塀もなく、仮釈放が見込まれ、周囲の土地勘がないなどといった条件を満たす人だけが任される。当初は畜産作業の素人だった受刑者も、刑務官に教わりながら牛の餌やりや牛舎の掃除などの仕方を習得していく。

和牛が生後約30カ月、体重800~850キログラムに育つと出荷される。2019年度に農場から出荷した牛のうち、A5ランクは全体の8割に達したという。年間の売上高も計1800万円に上り、当初の目標額(1400万円)を大きく上回っている。

網走刑務所の農場では受刑者が牛を育てている(7日、網走市)

網走刑務所の農場では受刑者が牛を育てている(7日、網走市)

農場は清潔な飼育環境の維持を徹底している。受刑者が牛舎の床に敷く木くずを2週間に一度取り換える。農場内で育てた牧草だけでなく、牛の成長に応じた飼料を与えるなど餌にもこだわる。飲み水には近くの湖から湧き出るミネラルたっぷりの水を与えている。

刑務所の植田卓也作業専門官は「ストレスの少ない環境で育てているのが味にもつながっている」とみる。牛舎内では牛が自由に暮らせる環境を謳歌していた。一部の牛舎は外部とつながっており、日中は自由に日光浴できる。生まれてから出荷されるまで同じ農場で育つため、環境変化がないことも牛をリラックスさせている。

監獄和牛の生産数が少ないのは施設にも人員にも限りがあるためだ。刑務所の植田専門官も「良い肉質を保つためにも、これ以上牛を増やすのは難しい」と打ち明ける。監獄牛の希少価値は当面変わらない。新型ウイルスが終息した時、希少な監獄牛を求めて網走を訪れる人が増えるきっかけになるかもしれない。

(塩崎健太郎)

「A5」認定は競争熾烈、肉質向上で高値取引
 和牛の格付けは複数の項目で審査される。日本食肉格付協会(東京)ではまず、肉の取れる量によってA~Cに分ける。肉の光沢やきめ細かさなど牛肉の質も見極めた上で5段階に細分化。全15段階の最上位が「A5」で、高値で取引される基準にもなっている。
A5に認定される和牛の割合は近年、高まっている。日本食肉格付協会によると、2019年のA5(和牛、去勢)の割合は18年比5ポイント増の46%と半数近くを占めた。10年前の19%と比べると大幅に増えていて、肉質の向上とともにA5和牛の市場競争は激しくなっている。

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