来季残留が内定している阪神のヨハン・ミエセス外野手。昨オフ、そもそも育成を前提に獲得しており、来季の飛躍が期待されている。一方、来日1年目でここまでチーム、ファンから愛される選手も珍しい。その理由とは何なのか-。日本シリーズの表彰式で、“何事にも全力”を示すワンシーンがあった。
MVP発表の際、他の選手がベンチ前に座る中、糸原が立ち上がって立候補した。チームを盛り上げるネタの一環で、「MVPは近本選手です」とアナウンスがあると、豪快にずっこけた。他の選手たちが爆笑する中、糸原の背後で地面をたたきながら全力で悔しがるミエセスの姿があった。
来日1年目の助っ人にとって、糸原はチームに溶け込むためのサポートを惜しまなかった恩人。来日1年目で表彰式のしきたり、日本語も完璧に理解できていない中、“素”の行動だったと考えられる。球団や各選手のSNSにも頻繁に登場してくるミエセス。ファンの注目度が高く、チームメートからも愛されている証しだ。
実際に打席でも後半戦、懸命にボールを見極めようという姿が印象的だった。外国人選手は個人成績を追い求めるあまり、チームの方針を無視して打席に立つという例も過去にあるが、「ボール球を振らない」という岡田監督の方針を理解し、懸命に対応しようとしていた。
守備に関しても2月の春季キャンプ初日に見た時は「大丈夫か」と思われる動きで、スローイングも褒められたものではなかった。それでも努力を重ね、短期間で飛躍的に向上。5月5日にマツダスタジアムで行われた広島戦では、帽子を飛ばしながら右中間最深部を襲った秋山の飛球をキャッチ。勢い余ってフェンスに激突したが、3カ月前を思えば大きな伸びしろを感じさせた。
選手を愛称で呼ぶことが少ない岡田監督も「ミエちゃん」と呼び、日本シリーズではオリックスの山崎福也にも美しいお辞儀を見せた。第7戦前には山本由伸と交流し、メジャー挑戦を目指す右腕がこれまでにないような笑みを浮かべていた。
来日1年目は60試合の出場で打率・222、5本塁打、16打点。6日に帰国した際には「しっかり準備して、また帰って来られたら」と語った。リーグ制覇時のビールかけで指揮官から「ミエちゃん主役ちゃうよ。成績にちなんだ暴れ方を」とイジられていた助っ人。常に全力の姿勢を失わない限り、来季は成長した姿を見られるかもしれない。(デイリースポーツ・重松健三)
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