巨人が今季最多の17安打で乱打戦を制した。七回に秋広と吉川の2点二塁打で4点を勝ち越し、継投で反撃をしのいだ。ヤクルトは2度追いついたが勝ち越せず。
静岡・草薙を舞台にしたヤクルトとの乱打戦を、今季最多の17安打で制した巨人。輝いたのは、6番左翼で先発した20歳の秋広だった。一回に中前へ適時打を放ち、三回にも追加点につなぐ中前打。そして、同点の七回で打席が回ってきた。
先頭の4番岡本和が四球を選び、5番大城卓が左翼線への二塁打で無死二、三塁。2ボール1ストライクから、外角の速球を逆らわずに捉えると、高々と上がった打球が左中間を破った。3安打3打点で、13日の広島戦に続く自身2度目の猛打賞となった。
身長2メートルの巨体で、巧みにバットを操っている。打席と逆方向に流し打てるだけでなく、追い込まれてからファウルで粘る。試合前までの出場18試合で外野に飛んだ安打の内訳は、右方向6、中堅5、左方向6。背番号55の先輩、松井秀喜さんと現役時代に同僚だった大久保打撃チーフコーチは期待値を込めつつ、「パワーはゴジが上だけど、バットコントロールは秋広が上」と評価する。
昨季はイースタン・リーグで最多安打をマークした。技術の鍛錬は今季も続けている。試合前、ネットの前で両脚を大きく広げ、阿部ヘッドコーチが高めや低めへ不規則に投げる球を打ち込む。「あー」と悲鳴を上げながら、下半身を鍛えつつ、同時にボールへの対応力を磨いてきた。一軍で開花しつつあるのは、そんな土台固めにも一因がある。
原監督は今春のキャンプで、秋広がレギュラーをつかむためには「攻撃力。バッティング」と、ずばり求めた。「結果は出ているけど、これからも出し続けられるように頑張りたい」と秋広。本人も分かっているからこそ、満足はしない。(福井浩介)
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