逆転の切り札は豪州の若き名手だ。コナコーストと新コンビを組むレーンは、いま最も勢いがある外国人騎手。19年4月、来日3日目に清水久厩舎のメールドグラースでいきなり新潟大賞典を制した。清水久師は「半信半疑でしたが、あの競馬を見た時にもう、世界のトップクラスのジョッキーだなと。たかだか3日目で感じました。鮮明に覚えています」と興奮気味に振り返る。レーンはその後も同馬を鳴尾記念勝ちに導き、同年10月のコーフィールドC・豪G1ではトレーナーに海外重賞初Vまでプレゼントした。
先月30日には、昇級後5戦続けて着外だった同厩舎のラクスバラディーもテン乗りで勝利。指揮官は「気が悪い面があるんですが、あの成績から一気にあの強い勝ち方をさせるんですからね。返し馬だけでその馬の性格をつかみとって、やめさせずに走らせるというか」と、高い技術に舌を巻く。コナコーストにもオークス当日の返し馬で初めてまたがる予定だが、「キタサンブラックの子のいいところが出て、精神的にはドンと構えています。前走を見ても、すごく操縦性がいいと思いますから」と、全く不安は感じていない。
桜花賞は鮫島駿の完璧な騎乗で2着。勝負どころでのぞかせていた、ずぶさも解消されていた。「鮫島駿騎手が下手なわけじゃありませんが、そこは勝負の世界。(レーンには)いいイメージしかありません。楽しみでしょうがないです。どういう競馬をして、力を出し切ってくれるのか」。自厩舎にG1全7勝をもたらしたキタサンブラックの産駒での栄冠へ、これ以上ない援軍だ。(玉木 宏征)
スポーツ報知
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