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Saturday, June 12, 2021

田中将との再戦を“ビタミン剤”にした阪神・藤浪 同じプレートの位置に立ち堂々1回零封 - スポニチアネックス Sponichi Annex

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交流戦   阪神9ー1楽天 ( 2021年6月12日    楽天生命パーク )

<虎報用・阪神>8回に登板し、好投した藤浪
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 【畑野理之 理論】伊藤将司が7回1失点で4勝目。大山悠輔が決勝2ランを放ち、佐藤輝明の一発も効果的だった。田中将大に投げ勝ち、田中将大を沈めた投打のヒーローたちは間違いなく自信を深めただろうが、もう一人、このレジェンドを“ビタミン剤”にした選手がいる。藤浪晋太郎だ。3―1の8回に2番手で登板して1イニングを無失点。3ホールド目をマークした。

 阪神が前回対戦した13年6月16日(Kスタ宮城=当時)、マー君と投げ合ったのはルーキーの藤浪だった。4回1/3を3失点降板でプロ2敗目(4勝)。一方、田中将は6安打完封で9勝目を挙げ、伝説となった同年の24勝0敗1セーブへ突き進んだ。

 敗戦後、19歳の藤浪は「力不足です。田中さんは走者が出てからが全然違う。計算してアウトが取れている。1ストライク目から狙って空振りを取れているし、行き当たりばったりではなかった」とコメント。2回無死満塁、8回2死満塁でいずれもギアを上げて1点も許さなかった先輩右腕から、球質はもちろん、勝負どころや投球術などレベルの高さを痛感した。16年オフに合同自主トレを行い接点ができると、今年1月28日の楽天復帰決定後、プロ9年目の藤浪は「映像とかでまた見ることが増えると思いますし、勉強させていただきたく」と再戦を楽しみにしていた。

 その13年は田中将との敗戦をバネに10勝6敗まで成績を伸ばした。3年連続2桁勝利。しかし、16年以降、苦しんでいる。今年は開幕投手を任されながら2勝だけでファームで調整。リリーフ要員で再昇格し先発対決はかなわなかったが、直接、ピッチングを目の当たりにできたのは大きい。

 いま藤浪は約61センチ幅のピッチャープレートの真ん中付近から投球する。くしくも田中将も真ん中。ちなみに伊藤将は左端(一塁側)。8回の出番は田中将の降板後で時間差となったが、同じ位置に立ち、同じ“景色”を見た。再び吸収、学んだことは決して少なくないはずだ。2死からピンチを招き、一、二塁から最後は4番・島内宏明を152キロ真っすぐで一ゴロ。少し、ギアを上げたように見えたのは気のせいではないと思う。
=敬称略=(専門委員)

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