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Tuesday, November 3, 2020

社説:新たな県有種雄牛 全国アピール強めたい - 秋田魁新報

 県産黒毛和牛の知名度を全国区に押し上げた県有種雄牛(しゅゆうぎゅう)「義平福(よしひらふく)」の後継となるエース牛として「黄金乃花(おうごんのはな)」への期待が高まっている。子の枝肉を調べたところ、おいしさで重視される「さし」(霜降り)の入り具合などが、過去最高だった義平福の子の枝肉を超えたからだ。

 新型コロナウイルス感染症の流行により、畜産業界も打撃を受けている。有望な種雄牛の登場を県内外に広くアピールし、畜産農家の生産意欲向上につなげたい。

 黄金乃花は2015年8月、優れた肉質の青森県種雄牛「第1花国」と、羽後町で育った雌牛「にほんばれ」の間に生まれた。生後1年未満で発育を見る「直接検定」では、1日平均の体重増加量が義平福を超えて全国トップクラスとなり、早くも大物を予感させた。

 子の枝肉を調べる「後代検定」は今年7月までの2年間行われた。さしの入り具合を示すBMS値は平均9・3、最高級の肉質「A5」の比率は69・6%で、県有種雄牛の子としていずれも歴代トップだった。県内の畜産関係者が注目するのは当然と言える。

 「和牛の五輪」とも呼ばれ、5年に1回開かれる国内最大の和牛品評会「全国和牛能力共進会(全共)」は22年開催の予定。黄金乃花の子の出品を期待したいが、大会日程から逆算すると種付け、出生、肥育の期間が間に合わないという。その次の27年全共を待たず、全国へのアピールを強める必要がある。

 義平福の場合、子の枝肉が12年全共で全国2位になったのを機に、松阪牛で知られる三重県など県外から子牛の買い付けに訪れる業者が増加。県産牛の子牛価格が上昇する「義平福効果」をもたらした。これが14年の「秋田牛(あきたぎゅう)」ブランドの創設にもつながった。

 県は「第3期ふるさと秋田農林水産ビジョン」(18~21年度)に、全共での上位入賞に向けた取り組み強化を盛り込んでいる。生き物相手の難しさはあるだろうが、今後は好機を逸しないような交配、後代検定などの在り方を検討すべきだ。

 本県の肉用牛の19年飼養頭数は1万9100頭。東北6県で最も少なく、5位の山形と比較しても半分にすぎない。頭数を増やし、経営を大規模化するのは長年の課題だ。ブランド牛の知名度向上と販売強化が必要であり、それにはエース牛の存在が不可欠だ。

 エース候補の牛は他にもいる。22年の全共に参加予定の「幸義福(さちよしふく)」だ。17年7月生まれで黄金乃花より若く、後代検定の結果はまだ出ていないが、血統情報などから推測される能力は黄金乃花を超える。

 種雄牛だけではなく、繁殖用雌牛の改良や肥育技術の向上にも引き続き力を入れなければならない。県と畜産業界が一丸となって県産黒毛和牛のブランド力を一層高めてもらいたい。

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