富岡町で被ばく牛を飼い続ける坂本勝利(かつとし)さん(82)を応援してくれる人々も現れた。岩手大や北里大の研究者グループが定期的に農園を訪れ、牛の被ばく状況を調査したり、血液を採取したりするようになった。
大型動物が長期にわたって被ばくを続けた例は、世界を見ても少ない。グループの目的は、この貴重なデータを研究に役立てることだったが、経済動物としての価値を失った牛たちに、実験動物としての新しい価値を付与する意味もあった。
坂本さんも牛の新しい価値を探し続けた。そして一つの発見にたどり着いた。
「循環型の環境づくりにこれほど役立つ動物はないということですよ。自然に生えた草を食べ、ほぼそれだけで生きていける。おかげで荒れ地は木が茂ることもなく、牛ふんで豊かになり、いつでも農地として使える状態に保たれるのです」
耕作する者を失った被災地の農地は荒れ放題となり、かつての水田にはヤナギなどの樹木が生い茂っている。
ところが牛の放牧を続けた坂本さんの約四ヘクタールの水田は、雑草が生える程度で樹木などは見当たらない。
隠れる場所がない農地には野生動物もすみ着きづらい。
「日本中に荒れた農地はたくさんある。牛を使って農地を保全するシステムをつくれば新しい農業が生まれる。何もなくなった被災地で、そのモデルをつくればいい」。坂本さんはさらに続けた。
「避難生活の中で食の大切さをあらためて学びました。もともと日本は水に恵まれた農業の国です。原発事故から立ち直るには、原点に戻って農業を振興するのがいい。この福島から始まるのがいい」
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