ある1ピースのピザが、話題になっています。こんがり焼かれたピザからチーズが伸びて…なんとも美味しそう。実はこちらのピザ、刺繍でつくられた作品なんです!【BuzzFeed Japan / 児玉 京香】
BuzzFeedは、この作品を作った刺繍画家として仕事をしているipnot(イプノット)さん(@ipnot)に話を聞きました。
2011年に活動を開始したipnotさんは、刺繍を独学で学び、2013年に刺繍家へと転向しました。
その後、針に糸を巻きつけて小さな粒を作ることで表現する刺繍の技法、「フレンチノット」に魅せられ、現在の作風へ繋がっています。
現在はウェブサイトやSNSで作品を公開しています。
ピザが焼きあがるまで2~3ヶ月
刺繍のピザ作りは、資料を集めてデザインを考えるところから始まりました。ipnotさんは、ここにとても時間をかけたと語ります。
「ピザにも歴史があり、どのピザにするか。私の刺繍スタイルは元々ある刺繍から発展した作風。その刺繍に合うのはどのピザかを考えました」
そしてそのデザインを布に描き、ピザの生地、具、ソース、チーズと、デザイン考案も含めると2~3ヶ月の時間をかけてじっくりと焼いていったといいます。
立体作品制作のきっかけは「ラーメンと糸くず」
「元々は平面のまま作品を撮影し公開していましたが、ある時、ラーメン刺繍の撮影中にふと目の前にあった糸くずが気になりました」
そこで、糸くずを麺のように縫い付けて立体的に撮影し公開すると、大きな反響が。
それが立体的な刺繍作品の制作のきっかけになったといいます。
糸の粒の大きさは約1mm
フレンチノット刺繍の魅力について、「たくさんたくさんあります」と語るipnotさん。
とても自由度が高いというフレンチノット刺繍は、創造するのが楽しく、アイデアも浮かびやすいといいます。
「糸の粒の大きさは約1mmなので色のグラデーションがとても綺麗に表現できます。細かい部分に凝れるのでリアルな質感も表現しやすいです」
また、作品の仕上がりだけでなく、縫う作業にも魅力があるといいます。
「針に糸を巻きつけて布に刺す、このワンクッション挟んだ同じ動作がとてもリラックスできて集中できます」
「点が集まって重なっていくことで作品になる、この出来上がっていく過程も魅力的です」
「1粒あるかないかで見え方が違ってくる場合も」
まるで本物のようなリアルな作品を作るためにipnotさんが工夫していることは、観察をしっかりすることだそうです。
「糸の粒はとても小さいけれど1粒あるかないかで見え方が違ってくる場合もあります」
最後の仕上げは、レンズを通した客観的な視点も挟みながら、じっくりと縫っているそうです。
ipnotさんは「立体刺繍を通してフレンチノット刺繍に興味を持ってくださる方も増えました」と語ります。
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